でました「絶縁」。
絶縁・・・人間関係、交友関係、師弟関係などの付き合いを絶つことをいう。
じゃなしに、、、電気機械や各種の電気回路・電子回路において、感電防止や電位の分離などを目的として、不導体もしくは各種の部品や装置を利用して電流を遮断することである。
(ウイキペディアより)
え?何だか分からん?
まあウチは防災屋だから火報で言うなれば、感知器や配線が電気的にどれくらい地球(アース)と分離しているか、である。
絶縁抵抗測定器(メガー)で、測定値がゼロに近ければ悪く、無限に近いと良好となる。
法律的にはその数値が0.1MΩ以上あればOKなのだが、ギリギリ0.1MΩだったりするとあまりいいとは言えない。
で、測定値ゼロだったりすると、誤発報、誤作動は当たり前、最悪は受信機が故障する場合も。
ある現場の6階の排煙スイッチを押したら2階の排煙口が開放した、なんてこともあった。
原因はどちらも絶縁0MΩで、要するにダイレクトに6階の排煙スイッチと2階の排煙口がつながってしまったようなものだったのだ。
そうそう、誘導灯なんかでいえば絶縁が悪いと漏電してAC100Vだからとても危険だ。
持論だが、例えると色んな病気を併発する糖尿病みたいなものか。
だからムは原因が何だかよく分からん症状の不具合は、先ず絶縁不良を疑う。
で、なんで絶縁が悪くなるかって、ケーブルが軽量鉄骨に挟まれてたりビスが刺さってたり機器の端子部分が金属部に触れてたりと、様々である。
これらが原因であれば大抵0MΩだから分かりやすいので逆にわりかし直ぐに改修できる。
ところが、なかなか直せないのが配線や機器の経年劣化によるもので、0.1MΩ前後のときだ。
これはホントにタチが悪くて、まあ直すのに苦労する。
この経年劣化ケースは大体何箇所も不良個所があって、それらが集合すると0.1MΩだったりする。
そう、一つ一つはすごく悪いわけではない(1MΩくらい?)から直しても直してもキリがないのだ。
で、今回はマンションの火報が絶縁不良ということで、その改修工事。
担当者「今日は原因を絞って頂いて、もし住居内の感知器だったらその時は後日ということで。」
ム「了解、とりあえず受信機で測ってみようか。住居内でないことを願うね。」
・・・測定中・・・
ム「コンモン一括で0.05メガ、ん~悪いね~嫌な予感。」
担「やっぱヤバいですか。。。建物、古いすからね。」
ム「まあ順を追ってやってみるよ。」
・・・調査中・・・
ム「やっぱ感知器回路だね。えーと、コンモン表からすると5階から上のほう、これが0.05メガで一番悪い。
あと、4階から下も3メガでイマイチ。階段も2メガだしあっちもこっちもだね。」
担「なんか、予想通りすね。」
ム「うん、これは完全に良くはならないよ。まあ5階から上を直していくらかでも良くなればいいけどね。」
担「何とかお願いします!」
・・・さらに調査中・・・すると、6階総合盤で・・・
ム「これだね、ここの端子台。ほら、外線全部を外しているにもかかわらず0.05メガだよ。」
担「え?こんなことあり得るんですか?」
ム「うん、経年劣化だよ。古くなってくると端子台のプラスチックの部分が徐々に絶縁不良おこすんだよね。
外部廊下で気候の影響受けやすいから劣化も激しいんだよね。
端子台やめて圧着にすればとりあえずここは直るけど、これ他の場所もこんなんばっかだと思うから、直すのキリがないね。
とりあえず受信機戻って全体で測ってみようか。」
・・・受信機にて全体測定・・・
担「(恐る恐る)どうですか?」
ム「お、良くなったね。とりあえず3メガあるよ。」
担「良かった~これで大丈夫すかね。」
ム「いや、こんなのとりあえずだよ。今日は天気もいいし、雨とか降ってたらたちまち下がるよ。
イタチごっこだけど、悪くなったら直す、悪くなったら直すの繰り返しだね。
若しくは建物全部の配線やり直せば直るけど。」
担「全部やります?」
ム「ムリ(-"-)」