危うく感知器を付けてしまうところであった。。。
無知とは恐ろしく、まだまだムも修業が足らないようだ。
テレワークブースなるものをご存じであろうか。
後置き型の畳1畳分くらいの遮音ワークスペースとでも言うべきか。
大抵、事務所の中に置かれて、周りから遮断された環境で仕事や会議等ができる優れものである。
都内某所の事務所ビルの一角。
今日は元請さんから以前から要請があった、
「後付けの作業スペースなる”ブース”を設置したから火報を増設してほしい。」
に対応すべく現場に向かった。
ところが向かう途中で先に現地到着してた元請さんから連絡あり。
元請さん「なんかー、”ブース”の中にスプリンクラーなるものが付いてるんだけど・・・」
ム「何ですって?スプリンクラー??」
(なんだろ?)
元「なんかーすごく嫌な予感がするんですけどー」
ム「もうすぐ着いちゃうんで、とりあえず行きますよ。」
元「なんかーもしもの時はすみません。。。」
で、現場に到着してみると事務所の中にチョコンとガラス張りで喫煙所くらいのブースが設置してある。
ム「これは完全に居室扱いだし感知器未警戒ですねー。」
元「なんかーそうなんですけどーこれ・・・」
元請さんが指差すその先を見るとブースの天井面にスプリンクラーヘッドみたいのが付いてる。
しかもいかにもって感じでヘッドの上側に消火薬剤が入っているであろう膨らんだ形になってる。
ム「ああ、これですね言ってたの。うーん確かに安全上のためオマケでついてる消火設備って感じですね。
でもこれはこれ。消防的には未警戒だから感知器が必要だと思いますよ。
今までも、こういった作業ブースには必ず感知器付けてたし。」
元「なんかーやっぱそうですよね。じゃあ感知器付けてください。」
と、ムが自信満々で配線の段取りをしていると、何やら元請さんがスマホをいじりだす。
元「なんかー今調べてたんだけどーなんかー火報免除のような気がするんですけどー」
ム「えー!?」
元請さんが見せてくれたスマホの内容は・・・
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「令第32条」
消防用設備等の基準によらなくとも、火災の発生又は延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるときにおいては、適用しない。
(要するに・・・以下、要件を満たせば感知器の設置が免除される特例)
「ブースの床面積が3m²以下」
「可動式ブースの天井及び壁が不燃材料で仕上げられている」
「ブース外部から当該ブース内で発生した火災を目視等で確認できる」
「ブース内に住宅用下方放出型自動消火装置を設置することで、ブース内で火災が発生しても確実に消火できることが消火実験等で確認されている」
という要件を満たせば、感知器とスプリンクラーヘッドが免除となり、(以下省略)
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ム「マジか!いや、すみません、こんな特例あるんですね。。。でも今までこのパターンは感知器付けてたんですけど。。。
、、、て、あー!そういや消火装置が付いてるって初めてです!」
元「なんかーいや、こちらもよく調べないでムさん呼んでしまってすみません。」
ム「うーん、でも仮に感知器免除だとしても消防届出はしなければいけないと思うんですよね。
消防設備の届出じゃなくて使用開始届で特例申請になるかな。ブースの仕様書を添付したりして。
てか、もう申請してるんじゃないですか?」
元「なんかー施主さん通してブースを設置した業者に聞いてもらいますよ。
勿論、今日来ていただいた分はいくらかお支払いしますよ。」
ム「いやー自分も経験不足で逆に申し訳なかったです。お恥ずかしいかぎりです。」
元・ム「なんかー」